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お宿 “銀座吉水”

東京銀座“松屋デパート”横のマロニエ通りを南へ進み、昭和通りを渡って、5・6軒先の右側に『銀座吉水』というお宿があります。

ホテルではなく、【お宿】といいますのは、外観は鉄筋コンクリート作りですが、部屋・内装はすべて【和】になっており、“お宿”という呼び方がピッタリなのです。

私は、以前より東京に出張やプライベートでも出かけることが多く、よく品川や新宿などのビジネスホテルを使うことが多かったのですが、ここ3年程、この【お宿】“吉水”以外にはなかなか泊まれない・・・というか、“吉水”以外には泊まりたくない!と思ってしまいます。

実は、1週間ほど前にも1泊いたしました。

まず、お宿ですから、玄関は引き戸で、「こんにちは」という感じで入りますと、家に帰った様に広い板の間のあがりぐちで、靴を脱ぎ、並べられているイグサで編んだ草履に履き替えます。

時代劇などを見ておりますと、旅人が宿の玄関で、たらいの水で足を洗って、旅の疲れと汚れを落としている場面がありますよね?!
ここ吉水の宿では、あのたらいの変わりに【信楽焼の鉢】が置かれていて、足をすすぐことも出切るのですが…そこまではちょっと、使用する人は少ないそうですが・・・(笑)

何泊もされる方やリピーターさんの「ただいま」「おかえりなさい」のあいさつが飛び交っているフロントです(^^)

簡単にチェックインして、鍵を渡され、お部屋に落ち着きます。
宿屋だからといって、いろいろな調度があるわけでもなく、昔昭和20~30年代に日本のどの家でも見られたような高さ1mちょっとの低い茶だんすがあり、古布で作られた手まりなどが一つ二つ飾られ、壁には、仮名文字で綺麗に書かれている色紙がかかっています。(←平安時代の和歌のような感じがします。)

有機素材の畳に、床は孟宗竹、素足で歩いても気持ちよく、その上、畳の上にお客それぞれが自分で布団を引いて休むのです。

部屋の中央にちゃぶ台とお茶セット(お湯のみを小さい湯ぽっと)があるので、それを横によけて、戸棚からお布団を引き出します。
ちょっと前の日本のどこの家でもなされていた日常の暮らしそのものです。

ホテルでの宿泊で、私が一番気になるのが、びっしりベットメイキングされているベットのシーツ!このシーツをバリバリはがすことがどうもダメなのです・・・
その上、あのシーツとベットの隙間を探して滑り込むようなアレがどうも苦手で熟睡できません(><)

その点、“吉水”は、私にとって本当の意味での『眠れる宿』、宿泊することの本来の役目を果たしてくれる宿屋だと思ってしまいます。

なお、この部屋には、今時、テレビも電話もないのです。
要望やたずねたいことがあれば、エレベーターで1階のフロントに出向いていかなくてはなりません。
でも、考えてみたら、9階までお部屋はありますが、お部屋数も少ないので、部屋のすぐ前にエレベーターがあり、それで1階へ降りれば何十秒ですもの!何も不便はありません。
電話がなくても困りません。テレビがない分、どれだけ神経が休まることかっ!
一度その部屋に身を置いてみると、痛感します。

現在の私たちは、いかに文明の利器に包まれて自分自身の心とゆっくり向き合う時間を失くしてしまっているか・・・テレビに自分の心を占領されてしまっているのかを知ることが出来ます。

東京銀座のど真ん中で、“ちょっと昔の日本の暮らし“に触れてみますと、まわりに物が溢れ返っている中で過ごしている現在の日常が本当の豊かさとは言えないのではないかと、考えさせられる想いがします。

そんな『銀座吉水』のひとときでした。

『銀座吉水』のホームページはこちらです
→→http://www.yoshimizu.com/jp/ginza/index.html


by ミルラ
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by lina-green | 2008-06-03 19:06 | スタッフのつぶやき